「いあっ、あっ………ふぅうんっ……。」
ランプの灯りの下で、マッドが妖しく影を揺らめかせながら、身悶える。
身体の中にある六発の銃弾は、マッドが声を上げるたびに収斂する中の動きに伴って、ぎゅぎ
ゅっと音を立てながら回転し、位置をずらし、マッドの良いところを何度も撃ち抜く。
望み通り、サンダウンの銃弾によって撃ち抜かれたマッドは、うつ伏せになって腰を高く掲げ
て揺らす。艶めかしい吐息を零し、喜悦の涙を浮かべるマッドは、今の自分の状況に苦しみなが
ら、しかし普段では起こり得ない非常な事態に、確かに興奮を裾を捉え始めていた。
「はぁ…はひっ……うぅんっ…うああぅっ。」
マッドを撃ち抜く銃弾は、マッドが乱れれば乱れるほど、中の動きに合わせて激しく責める。
終わりの見えない、しかも重ね塗られる快感の渦に、マッドはシーツの上でいよいよ身体を躍ら
せる。
「あっあっ………ぁああぁ──っっ」
高い声を上げ続けるマッドを、サンダウンは楽しそうに眺めながら、ゆっくりと時間を掛けて
銃の手入れをし続けた。
腔綫
「んんっ……うぁあっ…うぁ……ふぅぁっ」
マッドの背中が、ひくひくと痙攣する。
銃弾に犯され続ける彼は、しかし激しい責めであっても決して確実に快楽が与えられるわけで
はないため、達する事も出来ずに力なく腰を崩した。横倒しになった身体は、その衝撃で更に中
を抉られたらしく、がくん、と跳ね上がる。
だが、すぐさま離れて別の場所を責められてしまい、マッドは達する事の出来ない快感に、身
体を焦らされていた。
マッドの体内の収縮だけで動く銃弾は、マッドが感じれば感じるほど収斂する内部に合わせて、
激しく動く。しかし、それは狙いを定めた動きではないため、感じるところを何度も何度も、何
発もの銃弾に犯される事もあれば、はぐらかすように、その周辺を穿たれる事もある。
的を絞った動きをしない鉛玉に、しかし両手を縛られているため己を慰める事も出来ずにマッ
ドは咽び泣き、なんとか快感を得ようとして腰を振ってしまう。
獣のように快感を欲しがる姿を眺め、サンダウンはわざと音を立てながら、銃を分解し、ゆっ
くりと中身を掃除して、もう一度組み立てる。
サンダウンが音を立てるたびに、マッドはそこにサンダウンがいる事を思い出して理性を取り
戻すのか、揺れる腰を止めるのだが、それはすぐに快感のうねりに呑み込まれて、また腰を振り
上げる。
「あぅ……あぁう……もぅ、もうっ………。」
マッドが縋るような眼差しで、サンダウンを見つめる。濡れた眼差しは、男を誘う色を放ち、
更なる快感を求めている。焦らされた身体は行き場のない熱を溜めこみ、理性をじわじわと嬲り
殺しにしているに違いない。
だが、サンダウンは懇願の眼差しでサンダウンを見るマッドに、優しく告げた。
「お前の銃も、手入れしてやろう。」
そう言って、マッドのバントラインを手に取ると、同じように音を立ててゆっくりと分解して
いく。
武骨な指先が、丁寧に黒の銃身を撫で、シリンダーを擽り、何かを探るように指を捻じ込む。
優しい手つきで己の銃を磨いていく仕草を見て、マッドは身を震わせた。
マッドは今、奥を銃弾で撃ち抜かれて、疼いて仕方がない状態だ。なのに、誰にも触れて貰え
ず、こうして震えることしかできないのに。
サンダウンの手は、ずっと優しく、バントラインに添えられている。
どうして。
自分には触れてくれない癖に、どうして。
早く、その手で、触れて欲しいのに。
銃を扱うその手で、早く、
「っ……あぅ、くぅあうっ……キッド………っ!」
ぼろぼろと涙を零して叫べば、ようやくサンダウンがこちらを向いた。その青い双眸が、欲を
湛えている事に気付かないまま、マッドは必死になって言葉を紡ぐ。
「キッ……ド……!も、もぅ………たの……っから!」
「………それ、が、好きなんじゃないのか?」
「ひ、……ちが……っ!」
サンダウンの言葉に、首を打ち振るい、マッドは叫ぶ。
「も、奥………疼い、て………っおかし、……なるっ!」
「マッド。」
嬌声の合間合間に声を零すマッドに、サンダウンはようやくもう一度近寄り、ぐい、と仰向け
にする。
「はぅうっ……っあぅああぅうっ!」
「どうして欲しいのか、ちゃんと言え………。」
身体を動かされた衝撃に悶絶するマッドに、サンダウンは言わなければ分からないと、マッド
に更なる恥辱を被る事を要求する。マッドの腰を捉え、時折その身体に振動を与える事で内部に
ある銃弾を微細に動かし、マッドに声を上げさせる。それは、言わねばこうして嬲り続けるとい
う脅迫だった。
それをマッドも感じ取ったのか――それとも、そんな事を考えられないほど、身も心も溶けて
しまったのか――白い喉を震わせる。
「キッド……もぅ、取って……これ、いやぁっ!」
「何故……?こんなに悦んでいるくせに………。」
「はっ………うぅんっ、や、だぁっ……!こんな、のじゃ………なくてっ……っあ!」
白い肌にエプロンを着けただけの姿で、銃弾に犯されるマッドは、自分のあまりの痴態に状況
を理解する事を放棄しているのかもしれない。
でなければ、いくら快感に追い詰められているとは言え、こんな事は口にしないだろう。しか
しそれは、サンダウンが求めていた言葉でもある。
「さわっ……て!はや……あんたに、っ…わって、ほし……っ!」
切れ切れの声で叫ぶマッドは、その拍子に再び涙を一筋零す。涙で頬を濡らした顔に口付けで
きるほどに身を屈め、サンダウンはマッドの身体を淫卑に覆うエプロンを剥ぎ取る。
「あっ………。」
ひんやりとした空気を直に感じて、マッドはふるりと震えて不安そうな声を上げてしまう。そ
の胸の上では、やはり乳首が色づいて尖り、黒い茂みの中からは若い塔が限界まで反り返り、放
たれる時を、今か今かと待っていた。
その屹立を囲う白い腿にサンダウンは手を這わせると、戦慄くマッドを無視してその脚を肩に
担ぎ上げるようにして開かせ、秘部の全てをサンダウンの眼下へと曝け出させる。
「………自分で、出してみるか?」
「い、嫌…………。」
ひくつくそこを見てそう問えば、マッドは頭を弱々しく振って、そんな事は出来ないと言う。
「早くっ……抜い、……抜いて、くれ………っ。」
「急かすな………。」
そう告げて、震える尻に軽く口付ければ、マッドはそれだけで快感で全身を焼かれ、持ち上げ
られた両脚ががくがくと震える。その様子をサンダウンは眼を細めて眺め、かさついた指先で過
敏な入口に触れた。途端に、びくん、と大袈裟なほどの反応でマッドの腰が跳ねた。
「あ……や、や………っ!」
ゆっくりと縁を辿って、指が奥へと侵入していく。マッドはか細い声を上げて、その感覚に身
を捩る。
「震えているな………。」
「い………やぁ………。」
己の内部の恥ずかしい状態の事を口にされ、マッドはその台詞に反応するように欲望を震わせ
る。その間にも、サンダウンの指は一番浅い位置でマッドを責めていた銃弾を捉えていた。そし
て、非常にも、それを更に奥へと押しやった。
「ひぃいいいいああぁああっ!」
マッドは頭を振り乱し、悶える。口からは涎が零れ、眼からは涙を流し、最奥にはっきり明確
に与えられる責め苦に狂喜する。
サンダウンは銃弾を焦らすようにゆっくりと引き抜く。逆撫でるその動きにさえマッドは感じ
入って、乱れる呼吸を止める事が出来ない。
「ぁぁんぁああんんんあああああーっ!!」
収斂する動きとは全く別の、マッドの内部を知り尽くして徹底的に加虐する事に慣れた指先が、
ようやく銃弾を入口を擦り上げながら引き抜いた時、マッドは金切り声を上げながら、白濁した
液を飛ばしていた。
激しすぎる絶頂に、ぴくんぴくんと小刻みに身を跳ねさせるマッドの胸に、サンダウンは抜き
去った銃弾を転がす。
まだ、一つ目の。
「あああっあ、あ、あ、あ、あ!」
再び侵入するサンダウンの指は先程と同じように銃弾を捉えるや、奥に押し込む。そして、先
程よりも広くなった所為か少し自由に動く指で、あちこちを擦りながら引き抜いていく。
「あぁっ…い、いぁあああっ」
二つ目の銃弾が取り去られ、三つ目の銃弾を取り除く時も、同じことだった。いや、サンダウ
ンが触れる場所が増えている以上、それはマッドに鋭い悦楽を上塗りしていく。そしてその度に、
マッドは淫らな悲鳴を上げ、熱を飛び散らせる。
「もぅ、無理ぃ……あああっ、ひあっ……許しっ………!」
あまりの激しい喜悦に、マッドは堪え切れずに許しを請う。達する事を許された身体は際限な
く液を飛び散らせ、恐怖すらマッドに覚えさせていた。
だが、サンダウンは最後の銃弾が抜け切るまで、マッドに銃で撃ち抜かれる責め苦を与え続け
る。
「いぁぁぁあああ────!」
ようやく全ての銃弾が抜き去った時、マッドの身体はびゅくびゅくと、まるで身体全体が性器
になったかのように痙攣し、口からは悩ましげな声が溢れていた。
とくとくと、ぐったりと弛緩しながらも緩い流れで精液を吐き出す姿に、サンダウンは有無を
言わせずに圧し掛かる。そして、快楽に堕ちたマッドは抵抗せずにサンダウンの重みを受け止め
る。無防備に、犯され続けた甘い身体を曝す耳元で、サンダウンは舐めるように囁いた。
「触れてやろう…………。」
「あ、……あぁ…………。」
それだけで刺激になるのか、マッドは眼を閉じて甘い吐息を零す。無抵抗な身体は、恐らく制
止の声を上げる事が叶っても、それは甘く掻き消されてしまうだろう。
涙で濡れた頬に口付け、サンダウンはようやく、普段と変わらぬ何処か焦がれのある声でマッ
ドを呼んだ。と、同時に、一気にマッドの身体を刺し貫く。
「マッド…………。」
「ぅあああっっあ!あ──────ッ!」
銃弾ではなく、指でもなく、気が狂いそうなほど熱い剛直に貫かれて、沈みこんでいたマッド
は再び喉を曝け出して泣き叫ぶ。両脚を限界まで押し開かされ、激しく抜き差しされて、弛緩し
ていた身体は電流でも流されたかのように、跳ね上がる。
「あああっあ、あ、あ、あ、あ、あああああああっ!」
突かれる度に、喉から声が迸る。持ち上げられては叩きつけられて、また持ち上げられる。真
っ白な爆発が、何度も頭の中で起こり、けれども止まらない。
「ひぃいい、も…許して……っ!やめ、っああ…壊れ、る………!」
「壊れろ………好きなだけ。」
安心してしまうほど強く抱き締められ、耳元で囁かれる。同時に、何度も奥を抉られ、マッド
はびくびくと精を吐き出す。
「うあ!くあああ!」
達した後もすぐに責め立てられ、マッドはもう止める事が出来ない。際限なく感じて零れ続け
る自分の欲望に、マッドの心のほうが耐え切れなかった。あまりの行為の激しさに、マッドは達
した衝撃で失神する。
が、失神した後も、快感のざわめきが退かない身体はいつまでもひくつき、サンダウンは時折
小さく淫らな声を上げる、意識のないマッドをそのまま何度も凌辱した。
「………マッド、機嫌を直せ。」
布団に包まって出てこない賞金稼ぎを見て、サンダウンは溜め息を吐いた。
サンダウンに色々されたマッドは、すこぶる機嫌が悪い。
「お前が約束を破るからだろう。」
「途中からそんな事忘れてただろうが、てめぇは!」
怒鳴るマッドの嗄れた声に、もう一度煽られそうになって、流石にこれ以上は無理だと慌てて
思い浮かんだ欲望を打ち消し、サンダウンは布団に包まるマッドに近付く。
「お前も、喜んでいたようだが。」
「……っ、うるせぇ!」
少し焦ったような声が布団の中から響く。マッドにも、自分が際限なく乱れたという意識はあ
ったようだ。いや、あるからこそ、こうして布団の中に隠れているのか。
「てめぇ、マジでいい加減にしろよ。毎回毎回、ふざけてんじゃねぇ。」
「……………。」
「機嫌が悪くなるたびに無茶苦茶しやがって、俺はてめぇの八つ当たりの道具じゃねぇんだぞ。」
「分かっている。」
「分かってねぇよ。」
ぐい、と布団の縁が持ち上げられて、マッドが顔を覗かせた。
「俺は、確かに時間に遅れたけど、ちゃんと此処にきただろうが。」
「ああ、そうだな。」
「ちっ………てめぇ、やっぱり分かってねぇ。」
マッドは布団から身体を引き摺り出し、サンダウンの両頬を、音が鳴るほど強く両手で挟みこ
んだ。
「いいか、俺はどれだけ遅くなっても、てめぇに追いつくんだ。だから。」
少し言葉を、途切る。
「だから、俺があんたの前に来ないからって、いるかどうかも分からねぇ相手に、しょうもない
嫉妬すんな。」
マッドの台詞に、サンダウンは眼を瞠る。そして、ゆっくりと息を吐き、その吐息の終わりに
「…………気付いていたのか?」
「当たり前だろ、俺がそんなに鈍いように見えんのか。」
「…………いいや。」
「ふん、分かればいいんだ。」
何だか偉そうな様子のマッドを抱き締め、サンダウンはマッドの胸に顔を埋める。
「なんだよ。」
「今日は、このままで…………。」
「好きにしろよ。どうせ、動けねぇ。」
再びベッドに倒れ込んで眼を閉じたマッドは、サンダウンの髪をゆっくりと一回だけ撫でると、
すぐに疲労による眠りの中へと引き込まれていく。その身体に腕を回し、サンダウンもマッドの
胸に耳を押し当ててその心音を聞きつつ、ゆっくりと眼を閉じた。