p_circle004_001.png(4564 byte)種族
ラウニヴァディーズに生きる十一の種族



ic-001-25.gif(110 byte) 精霊
 ラウニヴァディーズ全てに遍く存在する、生命というよりも力の本流が意思を持った者達のこと。世界創造時より存在しており、その力は世界の根源であ
 るため、信仰の対象にもなっている。
 性別は存在せず、子供を産むこともなく、永遠に転生し続ける。
 精霊王を長とし、その下に十大精霊がおり、更に細かな精霊に分岐していく。
 ほとんどの精霊は精霊界と呼ばれる別世界にいるが、十大精霊は他の十種族それぞれの守護者として現世に留まっている。
 ただし、他種族への進行に精霊の力を使う事は許されておらず、精霊界にいる精霊王も基本的には現世に力を加えることはないが、500年前の神族と人間
 による魔族虐殺に光と炎の精霊が加担したという事例があり、この際は精霊王により二つの精霊は神族と人間から剥奪され、結果として神族の住む天空城
 は落下し、人間達も混乱期を迎えた。
 精霊界への道は基本的には閉ざされており、数百年に一度の霊祭の時にのみ扉が開かれ、各種族の代表が通る事ができる。
 現精霊王はエリシェ。500年前の神族の大罪の折に、生き残った魔族の王子を匿うなどしたが、それ以降は現世には関与していない。


ic-001-25.gif(110 byte) 神族
 天空城に住む、背に羽根と頭上に光輪を持つ種族。
 半永久的に生き、精霊に勝るとも劣らない魔力を光輪に有しているが、見合う力さえあれば確実に殺す事ができ、死ぬと蘇る事はない。
 守護精霊は光のルクオーゼ。
 圧倒的な力を持つ故に、自分達こそが世界を管理すべきという選民思想に偏る者が多く、その結果、500年前に自らを信仰する人間達から勇者を選び出し、
 魔族虐殺という大罪を犯した。
 これは精霊王の怒りに触れ、守護精霊を剥奪され、精霊の力により浮かんでいた天空城は落下、光輪にあった魔力の大部分は失われた。
 神族の大半はエイオス教皇国に保護されることとなり、今も天空城が空に浮ぶ事を夢見ている。
 神族の王はヤシュケート。神族至上主義の筆頭であり、500年前の大罪を引き起こした際は、精霊王エリシェの怒りから真っ先に逃げ出した。


ic-001-25.gif(110 byte) 魔族
 フォッシア島の何処からか行くことができると謂われる魔界に住む種族。
 守護精霊は闇のメルクーム。
 その姿形は様々で、生活様式も種族内で大きく異なり、魔族の中で更に種族を分けることができるとさえ言われるほどである。
 魔族の中でも末端の繁殖力の旺盛な知能の低い者達は現世に現れ、他種族を襲う事もあるため、魔族内でも問題視されることがある。
 知能を有する者達は魔王を頂点とするカースト制に組み込まれているが、能力主義であるため、カースト下位の者が上位に昇り詰める事も可能である。
 ただし魔王そのものは世襲制であり、魔王の子供以外が魔王になることはできない。また魔族は忠誠心が非常に強いため、カースト下位の魔族が上位の魔
 族を蹴落とすこともまずない。そのため、カースト下位の者が上位に行くのは、魔王の判断によるものが大きい。
 知能の低い魔族による他種族への攻撃や、姿形が異質なものが多いことから、恐怖の対象や討伐の対象となることが多いが、知能のある魔族は基本的に他
 種族に手を出す事はなく、そもそも魔王が精霊王に対し他種族への不可侵を誓っている。
 にも拘わらず魔族に対する風当たりは強く、特に他種族による魔族の討伐として大きいものは、大罪と呼ばれるまでに発展した、神族と人間による魔族虐
 殺である。これは、光と炎の精霊による闇の精霊の領域への侵攻ともとれるものであった。
 この虐殺の際に生き残った魔族の王子ケルシュは精霊王に匿われ、しばらくはダークエルフのいる闇の森で暮らした後、魔王となる。
  


ic-001-25.gif(110 byte) エルフ
 森と共に生きる半不死の種族。死ぬときは武器で殺されるか、悲しみか鬱屈による。また、その魂は他種族とは別の場所に向かい、時には再び蘇ることさ
 えある。
 守護精霊は樹のダリュア。
 かつては世界全土にいたが、森の減少と元々の繁殖力が低いこと、そして何よりもアルミナ大帝国の迫害によりその数を大きく減らした。アルミナ大帝国
 が崩壊した後は差別からも解放されたが、アルミナ大帝国に反乱を起こした人間の領主を保身の為に倒した亜人がエルフであったことから、フレイナハル
 大陸、マアラギ大陸、ウアニル大陸では一時期白眼視された。
 そのため、ウアニル大陸の一角にエルヴンラインと呼ばれる保護区が作られ、偏見の薄まった今も多くのエルフがそこに住んでいる。
 一方、エルフ自身もダークエルフに対してかなりの偏見を持っており、アルミナ大帝国の迫害から逃げる為にダークエルフを囮にしたりもしている。その
 偏見は今も変わっておらず、ダークエルフが傷ついていたり、エルフ特有の病にかかっていても助けずに放置するなどの問題も起こしている。
 また、エルフの一部は選民思想が過ぎ、神族やエイオス教皇国に傾倒する者もおり、危険視する声もある。


ic-001-25.gif(110 byte) ダークエルフ
 エルフと同じく半不死で、武器を以て殺すか、悲しみか鬱屈により死ぬ種族。根本はエルフと同じだが、肌の色が褐色である。エルフとダークエルフの種
 族的分岐ははっきりとしない。
 守護精霊は月のリュミル。
 肌以外はエルフとほとんど同じだが、エルフからは闇を見た存在として忌み嫌われており、また好戦的な面もあり問題を起こす事があったため、他種族か
 らも迫害の対象となりやすかった。特にアルミナ大帝国時代は、他種族が迫害から逃れるためにダークエルフを囮として差し出すことさえあった。 
 こうした背景があるため、今現在もダークエルフは人目に付く事を嫌い、他種族との交流を極力避けている。一方で一旦懐に入れてしまうと相手が誰であ
 っても強い情を向け、依存的と思われるほどの庇護欲を発揮する。
 現在はフレイナハル大陸の闇の森に数多くが住んでいるが、ウアニル大陸やマアラギ大陸でも姿を見かける事がある。
 かつて、闇の森では魔族の生き残りの王子を育て、闇の精霊も匿ったことがあり、魔族とは友好的な交流がある。


ic-001-25.gif(110 byte)
 非常に長命で、頑強な鱗と肉体、高い知能を持つ種族。稀に人の形状を取る者もいる。
 守護精霊は雷のスフィーグ。
 ドラグーンバレーに生息していると謂われているが、その姿を他種族が見ることはほとんどなく、霊祭の時に全種族の代表が集まる時にしか確実に見るこ
 とはない。
 その鱗や肉体は武具や祭具に使用すると強い力を持つが、しかし竜に会う事自体が稀であり倒す事も困難であることから、そうした武具は伝説的武器とし
 て憧れの対象となっているが、そもそも竜にとっては自分達の仲間を殺して作られたものであり、彼らにとっては憎しみの対象である。
 特に神族と人間が魔族を虐殺した折には、魔族を倒すための武器を作る為と称して、何体もの罪のない竜が殺された。特に勇者の為に作られた剣は、当時
 の竜族の長の子供から作られており、竜族達はこの剣を取り戻すことを悲願としていた。
 なお、この剣は現在の魔王ケルシュによって人間から取り戻され、竜族に返還されている。


ic-001-25.gif(110 byte) 妖精
 他種族よりも精霊に近く、長命ではあるものの少しの環境の変化や肉体損傷によって死んでしまう儚い種族。
 守護精霊は風のエアシュト。
 アルミナ大帝国の亜人迫害や、その翅などが魔法具の材料となるため数多くが狩られ、非常に数が減少している。
 ハトリウス帝国管理課にあるフスの森で保護されており、この森には帝国の許可なく入ることはできない。
 ヴィグゼリア連合国でもその姿を見ることはできるが、それでもまだ数は少ない。
 そもそも未だに妖精は魔法具や魔法薬の材料として使用されており、密漁の対象となっている。特にミクトランナイ共和国にある魔法学校では妖精を材料
 にした魔法薬を数多く使用していると言われており、問題となっている。しかしこれの代替品が存在しないため、うやむやになっているのが現状である。


ic-001-25.gif(110 byte) ドワーフ
 頑強な肉体を持ち、地下を掘り進めそこを居住地とする種族。
 守護精霊は土のノルフザ。
 鉱山の採掘と、そこから採れた貴金属の細工を得意としており、彼らの大多数がその特技を生かした職に就き生活している。小柄だが筋肉質の肉体は、一
 週間以上飲まず食わずで鉱山を掘ることすら可能である。
 しかし、この頑強な身体を戦争に使うために奴隷化したり、彼らの鉱山を奪うために虐殺したりという悲劇の歴史もある。
 現在はハトリウス帝国のドゥエルギア鉱脈を最大の居住区とし、世界各地で工夫や職人として働いているが、エルフの一部やアルミナ帝国、エイオス教皇
 国からは蔑視されており、これらの国には立ち入ることはできない。
 また、神族による大罪の際に、殺された竜を使用して勇者の武具を作ったドワーフがいるため、竜族からも快くは思われていない。


ic-001-25.gif(110 byte) 海人
 海や湖、川などの水辺に住む、身体に魚のような鱗と鰭を持った種族。
 守護精霊は水のウォニュシュ。
 泳ぎが得意で、長時間息継ぎなしで水中で動き回る事ができる。その特性を生かし、漁師や船乗りになる者が多い。各大陸の沿岸部にその多くが住み、特
 に港町は彼らが長を務めていることが大半である。
 ミクトランナイ共和国にあるエルンピニス神殿は彼らの守護精霊であるウォニュシュが祀ってあり、海人の巡礼者が多い。だが、エルンピニス神殿につい
 ては何処に帰属させるかで度々衝突が起こり、特に海人の国家を作ろうとしている者達がミクトランナイ共和国からその地方一帯を独立させようという運
 動が目立っている。海人の国家を提唱する者達の考える国境は、ハトリウス帝国のガジュドスア地帯も横断しており、共和国と帝国両方の問題となってい
 る。


ic-001-25.gif(110 byte) 獣人
 一見すると人間と大きな違いはないが、状況に応じて毛皮を纏った姿に変じることのできる種族。毛皮を纏ったその姿は人それぞれであり、親子間で似る
 という事もない。
 守護精霊は氷のアイオート。
 アルミナ大帝国時代には最も迫害された種族であり、エイオス教皇国からも獣として蔑視されており、険しい山々の連なるエミュド地方に追いやられ、こ
 の地に国を作った。その後も周囲の国々からの戦火に巻き込まれてきたが、そのたびにこれを退けた。特にエイオス教皇国の将軍を討ち取った直後にハト
 リウス帝国側に一日で向かい、帝国軍を単騎で蹴散らした英雄ガーディンが有名である。
 現在はハトリウス帝国、ミクトランナイ共和国とは停戦条約を結び戦争は行われておらず、両国に移住する獣人もいる。アルミナ大帝国が崩壊した後は、
 ズルワーン王国やヴィグゼリア連合国に行く者も多い。
 なお、エイオス教皇国からの粛清という名の侵略は、未だに稀にではあるが発生している。


ic-001-25.gif(110 byte) 人間
 最も全世界に広く分布している。目立った身体的特徴はないが、技術力に優れ適応力が高い。
 守護精霊は炎のフレミア。
 魔法や道具を徹底的に技術として高め、それらを用いて他種族を侵略する行為を繰り返してきた。また扇動されやすく神族にそそのかされて魔族を虐殺し
 たことは有名である。この時に守護精霊は剥奪され、その後長期間、人間達は混乱期を迎えた。
 現在はほとんどの人間が他種族を受け入れて生活しているが、偏見を持つ者も一定数存在している。またエイオス教皇国やアルミナ帝国など、他種族を支
 配することを是としている国家もあり、こうした事実を他種族が指摘し、無関係の人間に対して過去の贖罪を求めるなどの問題も発生している。
 なお、人間が元首を務めると定められている国家は、エイオス教皇国、アルミナ帝国、ハトリウス帝国の三国であり、エイオス教皇国とアルミナ帝国は前
 述の通り、他種族蔑視の国家だが、ハトリウス帝国は他種族も受け入れている。